私たちのくらしは、個人や企業など民間の活動によって提供されるさまざまなものやサービスを消費することにより成り立っています。
しかし、これだけでは十分とはいえません。たとえば、毎日利用している道路や橋などの社会資本を整備すること、生命や財産を災害や犯罪から守ること、生活に困っている人を保護することなどは、私たちが豊かで健康的な生活を営むうえで、どうしても必要なものです。これらについては民間の活動に期待できない部分が多いため、私たちは国や地方公共団体(県や市町村)から“公共サービス”という形で提供を受けています。
公共サービスの内容としては、このほかにも学校や公共施設の維持・管理、上下水道の整備など私たちの身近なものから、国土の開発、産業の振興、外交など広い範囲にわたっています。
このように、国や地方公共団体は、私たちのくらしをより良くするために、さまざまな仕事をしていますが、それには非常にたくさんの費用がかかります。
その費用を私たちはみんなで、「税金」という形で負担しているのです。
「税金」は、私たちが社会の一員として生活していくために負担しなければならない、一種の会費のようなものということができます。
納税の義務
憲法第30条は、「国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。」と規定しています。
私たちは税金を納めることによって、国民として最も基本的な義務の一つを果たすことになります。
租税法律主義
憲法第84条は、「あらたに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律又は法律の定める条件によることを必要とする。」と規定し、どんな税金も、法律に基づかなくては課税されないことになっています。このように、国民である私たちが納めなければならない税金のしくみや内容は、私たちを代表する国会が定めた法律によって決められています。
同様に、地方公共団体の税(地方税)は、「地方税法」という法律と、各地方公共団体の議会が定める「条例」で、そのしくみや内容が決められています。